SNSの広告収益や企業案件、アフィリエイト、ライブ配信の投げ銭、写真や動画の販売などで収入を得ると、会社員や学生、主婦でも確定申告が必要になる場合があります。
しかし、確定申告が必要かどうかはSNSのフォロワー数や入金額だけでは判断できず、受け取った収入から必要経費を差し引いた所得、給与の有無、ほかの副業所得、医療費控除などの申告状況をまとめて確認しなければなりません。
現在は国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すれば、対応するスマートフォン、マイナンバーカード、マイナポータルアプリを用意して、自宅から申告書の作成とe-Tax送信を進められますが、SNSの管理画面に表示された金額をそのまま入力するだけでは、売上や経費、源泉徴収税額を正しく反映できないことがあります。
SNS収入の集計方法から所得区分の考え方、スマホでの入力手順、経費にできる支出、申告後の納税や記録保存まで順番に整理するため、初めて確定申告をする人でも、自分が準備すべき資料と操作の全体像をつかめます。
SNS収入の確定申告をスマホでするやり方

SNS収入をスマホで確定申告するときは、いきなり国税庁の画面を開くのではなく、最初に申告の必要性を判断し、対象年の収入と経費を集計してから入力を始めることが重要です。
確定申告書等作成コーナーには税額を自動計算する機能がありますが、入力する売上や必要経費の金額まで自動で判断してくれるわけではないため、プラットフォームの取引履歴、銀行口座への入金記録、企業から受け取った支払調書や明細を照合しておく必要があります。
準備から送信までを八つの段階に分けて進めれば、スマホの小さな画面でも入力箇所を見失いにくくなり、収入の計上漏れや経費の二重計上、源泉徴収税額の入力忘れも防ぎやすくなります。
申告が必要か判断する
最初に確認するのは、SNSから得た収入金額ではなく、原則として収入から必要経費を差し引いた所得金額であり、会社員の場合はSNS以外の副業所得も合算して判定します。
年末調整済みの給与を一つの勤務先から受け取っている一般的な会社員は、給与所得と退職所得以外の所得の合計が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要になります。
| 状況 | 確認する基準 |
|---|---|
| 会社員の副業 | 給与以外の所得合計 |
| 専業の発信者 | 所得控除後に税額が出るか |
| 複数の副業がある | すべての副業所得の合計 |
| 控除目的で申告する | 少額のSNS所得も記載 |
医療費控除や住宅ローン控除、寄附金控除などを受けるために確定申告をする場合は、SNSの所得が20万円以下でも申告書に含める必要があるため、20万円以下なら必ず記載不要と考えてはいけません。
給与を受け取っていない人、給与収入が2,000万円を超える人、給与を複数の勤務先から受け取っている人などは判定方法が異なるため、国税庁の給与所得者で確定申告が必要な人も確認して、自分の条件に当てはめることが大切です。
収入と所得を分けて計算する
SNSの確定申告では、収入と所得を同じ意味で扱わないことが重要であり、収入は企業やプラットフォームから受け取る報酬の総額、所得はその収入から必要経費を差し引いた残額を指します。
例えば、年間の企業案件と広告収益が合計40万円で、撮影用消耗品や業務分の通信費などの必要経費が15万円なら、単純化した場合の所得は25万円となり、会社員の20万円基準を超える可能性があります。
一方で、銀行口座への入金額がプラットフォーム手数料を差し引いた後の金額になっている場合は、入金額だけを収入にすると本来の売上を少なく記録してしまうことがあるため、明細上の総報酬と差し引かれた手数料を分けて確認します。
収入40万円から手数料3万円が差し引かれて37万円だけ振り込まれたケースでは、契約や明細の内容に応じて、収入40万円と必要経費3万円として整理する方法が考えられるため、振込金額だけで帳簿を作らないようにしましょう。
スマホ申告に必要なものをそろえる
マイナンバーカード方式でe-Tax送信する場合は、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン、マイナンバーカード、マイナポータルアプリ、カード発行時に設定したパスワードを準備します。
国税庁の案内では、利用者証明用電子証明書の数字4桁と、署名用電子証明書の英数字6文字から16文字のパスワードが必要になるため、入力を始める前に確認しておくと途中で手続が止まりにくくなります。
- マイナンバーカード
- 読取対応スマートフォン
- マイナポータルアプリ
- 数字4桁のパスワード
- 英数字6文字以上のパスワード
- 源泉徴収票や収入明細
- 経費の集計表や領収書
- 還付金を受け取る口座
スマートフォンにマイナンバーカード機能を登録している場合は実物のカードをかざさずに利用できることもありますが、端末や登録状況によって操作が異なるため、最新のスマホとマイナンバーカードでe-Taxを利用する案内を確認します。
電子証明書の有効期限が切れている場合や、パスワードを規定回数連続で間違えてロックされた場合はそのまま送信できないため、申告期限の直前ではなく、資料を集め始める段階でログインできるか試しておくと安心です。
SNSの売上を一覧にする
SNS収入は、広告収益、企業案件、アフィリエイト報酬、ライブ配信の投げ銭、サブスクリプション、写真や動画の販売、オンライン講座など、収入源ごとに分けて集計すると申告漏れを見つけやすくなります。
銀行口座への振込履歴だけでは、最低支払額に達せず翌年へ繰り越された報酬、海外プラットフォーム内に残っている残高、現金ではなく商品やポイントで受け取った対価を見落とす可能性があります。
- 広告配信サービスの月別明細
- 企業案件の請求書と入金記録
- アフィリエイト管理画面
- 投げ銭やギフトの換金履歴
- 有料会員の売上レポート
- 海外サービスの報酬明細
- 無償提供品の契約内容
企業から商品を提供され、投稿やレビューを行うことが契約上の対価になっている場合は、現金を受け取っていなくても経済的利益として収入に関係する可能性があるため、商品の通常価格、契約書、依頼メッセージを保存して判断材料にします。
海外通貨で報酬を受け取った場合は、日本円へ換算した根拠が分かるように、取引日や換算に使った為替レート、プラットフォームの明細を残し、入金時の円換算額だけで処理してよいか不明なときは税務署や税理士へ確認しましょう。
必要経費を科目別に整理する
収入を集計したら、その収入を得るために直接必要だった支出を、通信費、消耗品費、広告宣伝費、旅費交通費、支払手数料などの分かりやすい科目に分けて整理します。
勘定科目の名称に絶対的な正解があるわけではありませんが、同じ内容の支出を毎年異なる科目へ入れると比較しにくくなるため、例えばプラットフォーム手数料は支払手数料として継続して扱うなど、自分なりの基準をそろえることが大切です。
スマートフォン料金や自宅のインターネット料金のように、SNS活動と私生活の両方で使っている支出は全額を経費にせず、使用時間、データ通信量、利用日数など説明できる基準で業務分を按分します。
高額なスマートフォン、パソコン、カメラ、照明設備などは、購入した年に全額を経費にできず、資産として複数年に分けて減価償却する場合があるため、購入金額と購入日が分かる領収書を保管して個別に判断します。
作成コーナーで申告内容を入力する
集計が終わったら、国税庁の確定申告書等作成コーナーへスマートフォンからアクセスし、作成開始を選択して、対象年分と所得税の申告書作成を進めます。
マイナンバーカード方式を選ぶ場合はマイナポータルアプリを通じて本人確認を行い、給与所得がある人は源泉徴収票を読み取るか、支払金額、源泉徴収税額、社会保険料などを画面の案内に沿って入力します。
SNS収入は実態に応じて事業所得または業務に係る雑所得として入力し、収入金額、必要経費、源泉徴収された税額、支払者の情報などを、集計表や支払明細と照らし合わせながら入力します。
副業として小規模に行っているから必ず雑所得になるとは限らず、反対に開業届を提出しただけで必ず事業所得になるわけでもないため、活動の継続性、規模、営利性、記帳状況、生活への影響などを総合的に考える必要があります。
控除と源泉徴収税額を確認する
所得の入力後は、社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除、寄附金控除、扶養控除など、自分に関係する所得控除を確認し、年末調整済みの内容と重複して入力していないか見直します。
企業案件の報酬から所得税等があらかじめ源泉徴収されている場合は、報酬の手取り額だけを売上にせず、源泉徴収前の総額を収入として入力したうえで、差し引かれた源泉徴収税額を所定の欄に入力します。
例えば、報酬11万円から源泉徴収税額が差し引かれ、約9万9,000円が入金されている場合に、入金額だけを収入として扱うと、売上と前払いした税金の両方を正しく反映できない可能性があります。
支払調書が届いていなくても収入の申告が不要になるわけではないため、契約書、請求書、入金履歴、企業から届いた支払明細を使って総額と源泉徴収税額を確認し、数字が一致しないときは支払元へ問い合わせます。
e-Taxで送信して納税する
入力が完了したら、計算結果、還付または納付となる税額、住所、氏名、マイナンバー、還付口座などを確認し、マイナンバーカードによる電子署名を行ってe-Taxで送信します。
送信ボタンを押しただけで手続が完了したと思い込まず、受付結果や受信通知を確認し、申告書の控え、収支内訳書や青色申告決算書、送信データ、受付番号が分かる画面をスマートフォンへ保存します。
納付する税額がある場合は、振替納税、インターネットバンキング、ダイレクト納付、クレジットカード納付、スマホアプリ納付などから利用できる方法を選び、申告書の送信とは別に納税手続を完了させます。
令和7年分の所得税の申告と納付期限は2026年3月16日で、国税庁が公表している令和8年分の所得税の納期限は2027年3月15日ですが、災害時の延長や制度変更もあり得るため、提出する年の国税の納期限を確認しましょう。
SNS収入で確定申告が必要になる基準

SNSで収入を得た人が確定申告をするか判断するときは、年間の振込額だけでなく、給与の受け取り方、SNS以外の所得、経費を差し引いた後の所得、ほかの理由で申告する予定があるかを確認します。
特に知られている20万円の基準は、すべての人に適用される一律の非課税枠ではなく、一定の給与所得者について所得税の確定申告を省略できる条件の一つです。
所得税の申告が不要でも住民税の申告が必要になる場合があるほか、事業所得か雑所得かによって赤字の扱いや利用できる制度が変わるため、自分の状況を複数の観点から整理する必要があります。
20万円は収入ではなく所得で見る
会社員の副業で使われる20万円基準は、原則としてSNSの売上だけではなく、給与所得と退職所得以外の所得を合計した金額で判定します。
広告収益の所得が12万円、フリマ販売のうち課税対象となる所得が5万円、原稿料の所得が6万円なら、合計所得は23万円となるため、SNS単体では20万円以下でも申告が必要になる可能性があります。
| 計算要素 | 金額例 |
|---|---|
| SNSの収入 | 35万円 |
| SNSの必要経費 | 12万円 |
| SNSの所得 | 23万円 |
| 判定 | 20万円超の可能性 |
反対に収入が30万円あっても、収入を得るために直接必要だった適正な経費が12万円なら所得は18万円になりますが、医療費控除などのために申告する場合や、ほかの所得がある場合は18万円も申告内容へ含めます。
専業のクリエイターや学生、扶養内で活動する人など、給与所得者向けの確定申告不要制度に当てはまらない人は、20万円以下という数字だけで判断せず、所得控除後に所得税額が発生するかを確認してください。
事業所得か雑所得かを判断する
SNS収入が事業所得になるか業務に係る雑所得になるかは、本人が選択欄で自由に決めるものではなく、活動の社会通念上の事業性を個別に判断します。
継続的に投稿して収益を得ていることだけでなく、相応の時間や労力を投入しているか、安定した収益を目指しているか、帳簿を作成しているか、設備や取引先を持っているかなどが判断材料になります。
国税庁の取扱いでは、記帳や帳簿書類の保存状況が重要な要素になりますが、収入が300万円を超えたら自動的に事業所得になり、300万円以下なら必ず雑所得になるという単純な線引きではありません。
事業所得と認められる場合は青色申告を選択できる可能性がありますが、雑所得の赤字は給与所得などと損益通算できないため、判断に迷う規模へ成長した段階で国税庁の雑所得に関する案内を確認し、必要に応じて専門家へ相談します。
住民税の申告も確認する
所得税の確定申告が不要になった会社員でも、SNSによる所得がある場合は、住所地の市区町村へ住民税の申告が必要になることがあります。
20万円基準は所得税の確定申告不要制度に関するものであり、住民税について同じ金額まで申告しなくてよいという制度ではないため、少額だから何もしなくてよいと判断するのは危険です。
- 所得税の申告有無
- 住民税の申告要否
- 自治体の提出期限
- 必要な収入明細
- 必要経費の集計
- 勤務先への徴収方法
所得税の確定申告書を提出した場合は、その内容が自治体へ送られるため通常は同じ所得について別途住民税申告をする必要はありませんが、所得税申告を省略した場合は自治体へ確認します。
副業分の住民税について希望する徴収方法を選べる場面はあるものの、給与所得の内容や自治体の処理によって希望どおりにならない場合もあるため、会社に必ず知られない方法として考えるべきではありません。
SNS活動で経費にできる支出の考え方

SNS活動に関連して支払った費用でも、すべてが必要経費になるわけではなく、収入を得るために直接必要だったことを説明できる範囲だけを計上します。
経費にできるかどうかは品名だけでは決まらず、同じスマートフォンや洋服、飲食代でも、利用目的、投稿との関係、私生活での使用状況によって判断が変わります。
領収書があれば無条件で経費になるわけではないため、購入日、金額、支払先に加えて、どの投稿や案件に使った支出なのかを記録し、第三者へ合理的に説明できる状態にしておくことが大切です。
経費になりやすい支出を整理する
SNS収入を得るために必要な撮影用品、編集アプリ、広告費、プラットフォーム手数料、案件先への交通費などは、業務との関連性を説明できれば必要経費として扱える可能性があります。
ただし、経費になりやすい種類の支出であっても、私生活で使った部分や家族が利用した部分まで含めることはできないため、業務専用か共用かを区別して整理します。
| 支出例 | 主な確認点 |
|---|---|
| 撮影用照明 | 投稿制作に使ったか |
| 編集アプリ | 業務用契約か |
| 通信料金 | 業務割合は妥当か |
| 交通費 | 案件との関係があるか |
| 広告出稿費 | 集客目的が明確か |
| 外注費 | 依頼内容を説明できるか |
| 販売手数料 | 売上明細と一致するか |
案件に必要な小道具や背景紙など、一度の撮影で使い切る物は消耗品として整理しやすい一方、長期間使う高額なカメラやパソコンは減価償却が必要になることがあります。
経費科目が分からない場合でも、無理に細かく分類することより、支出の内容と金額を漏れなく記録し、前年から一貫した分類方法で集計することを優先しましょう。
家事按分の割合を決める
通信費、電気代、家賃、スマートフォン代など、SNS活動と私生活の両方に使う支出は、合理的な基準によって業務利用分だけを必要経費にする家事按分が必要です。
按分割合は一律に50パーセントと決まっているわけではなく、実際の利用時間、使用日数、作業スペースの面積、データ通信量など、継続して説明できる基準を使います。
- 利用時間で分ける
- 利用日数で分ける
- 通信量で分ける
- 作業面積で分ける
- 専用端末か確認する
- 算定根拠を記録する
例えば自宅の一室の一部を撮影や編集専用に使っている場合は、住宅全体の床面積に対する業務スペースの割合だけでなく、使用時間も踏まえて割合を決める方法が考えられます。
年によって都合よく割合を変えると説明が難しくなるため、按分方法と計算式を帳簿の備考欄やメモへ残し、働き方や利用状況が大きく変わった場合だけ根拠とともに見直します。
経費にしにくい支出を見分ける
日常的に着用できる洋服、普段の食事、美容院代、家族旅行、私生活用の家具などは、SNS投稿に登場したという理由だけでは必要経費として認められにくい支出です。
特定の撮影だけに使用する衣装や舞台用メイクのように業務専用性が高いものは検討の余地がありますが、撮影後に私生活で使える物は業務との区分が難しくなります。
飲食店を紹介する投稿でも、自分や家族が通常の食事として楽しんだ部分まで全額を経費にできるとは限らないため、案件契約、撮影目的、投稿実績、同席者、注文内容を記録します。
所得税や住民税、交通違反の反則金、私的な買い物、健康維持を目的とした一般的な支出なども原則として必要経費にできないため、事業用口座から支払ったという理由だけで計上しないようにしましょう。
スマホ申告で間違えやすい入力ポイント

スマホ申告では画面の案内に沿って進められますが、選択した所得区分や入力する金額が誤っていると、自動計算の結果も正しくなりません。
特に間違えやすいのは、入金日だけを基準に売上を集計すること、源泉徴収後の手取り額を収入として入力すること、年末調整済みの控除を重複して入力することです。
送信前には申告書の数字だけでなく、SNSの売上集計表、銀行口座、支払調書、源泉徴収票の数字がつながっているかを確認し、差額があれば原因を調べます。
売上を計上する時期に注意する
SNS収入は、銀行口座へ振り込まれた日だけで集計すると、12月に確定した報酬が翌年1月に入金されるケースなどで、申告する年を誤る可能性があります。
原則的には報酬を受け取る権利が確定した時期を基準に考えるため、案件の納品日、検収日、報酬確定日、プラットフォームの利用規約を確認します。
| 取引例 | 確認する資料 |
|---|---|
| 企業案件 | 契約書と検収日 |
| 広告収益 | 月別確定レポート |
| アフィリエイト | 承認日と確定明細 |
| 投げ銭 | 換金条件と残高履歴 |
| 海外報酬 | 確定日と為替記録 |
業務に係る雑所得には一定の要件を満たす場合の現金主義の特例もありますが、誰でも入金日基準を選べるわけではなく、確定申告書への記載も必要になるため、安易に適用しないようにします。
毎月の報酬確定画面を画像やPDFで保存し、入金予定額と実際の入金額を照合できる一覧を作っておくと、年をまたぐ取引の計上漏れを防ぎやすくなります。
源泉徴収前の総額を入力する
企業から受け取る原稿料、出演料、デザイン料などの報酬は、仕事内容によって所得税等が源泉徴収され、請求額より少ない金額が入金される場合があります。
この場合は手取り額を収入にするのではなく、原則として源泉徴収前の報酬総額を収入へ計上し、差し引かれた税額を源泉徴収税額として別に入力します。
- 請求書の報酬総額
- 消費税の記載方法
- 源泉徴収税額
- 実際の入金額
- 振込手数料
- 支払者の名称
報酬総額から源泉徴収税額と振込手数料が差し引かれている場合は、入金額から逆算するだけでなく、請求書と支払明細を照合し、それぞれを分けて記録します。
源泉徴収された税金は確定申告で年間税額と精算されるため、入力を忘れると本来受けられる還付が少なくなったり、納付額が多く表示されたりする可能性があります。
給与と所得控除を重複させない
会社員がSNS収入を申告するときは、勤務先から受け取った源泉徴収票の内容も入力し、給与所得とSNSの所得を合算して年間の税額を計算します。
源泉徴収票をスマートフォンのカメラで読み取る場合でも、文字認識が誤っている可能性があるため、支払金額、所得控除後の金額、源泉徴収税額、社会保険料等の金額を原本と見比べます。
生命保険料控除や扶養控除などが年末調整で反映済みなら、別の控除として二重に追加せず、作成コーナー上で源泉徴収票の情報として適切に反映されているか確認します。
マイナポータル連携を利用すると、対応する給与所得の源泉徴収票や控除証明書を自動入力できる場合がありますが、勤務先や発行元が連携要件を満たしていない情報は取得できないため、紙や電子データも準備しておきましょう。
申告後まで安心して進める管理のコツ

確定申告はe-Taxで送信した時点で終わりではなく、納税、還付状況の確認、帳簿や証拠書類の保存まで行って一連の手続が完了します。
SNSの管理画面は過去の明細をいつまでも表示できるとは限らず、アカウント停止やサービス終了によって取引履歴へアクセスできなくなる可能性もあります。
申告した金額の根拠を後から説明できるように、月ごとの売上明細、経費の領収書、契約書、請求書、送信した申告書を、自分で管理できる場所へ定期的に保存しましょう。
電子データを毎月保存する
SNSや広告配信サービスの売上明細は、年末にまとめて取得しようとすると保存期間を過ぎていたり、画面仕様が変わって必要な数字を確認できなかったりすることがあります。
毎月一回、報酬明細、取引履歴、請求書、領収書、入金記録を保存し、ファイル名に年月、取引先、金額を入れておくと、確定申告時の集計が容易になります。
- 月別売上レポート
- 企業との契約書
- 請求書と支払明細
- 銀行の入金記録
- 経費の電子領収書
- 為替換算の根拠
- 投稿実績の記録
- 按分計算のメモ
メールやウェブサイトから受け取った電子領収書や請求書は、印刷した紙だけでなく電子データの保存が必要になる場合があるため、電子帳簿保存法のルールも確認します。
クラウドストレージだけに保存するのではなく、端末故障やアカウント停止に備えて別の場所にもバックアップし、個人情報や取引先情報を含むファイルには適切なアクセス制限を設定しましょう。
帳簿と書類の保存期間を守る
事業所得として申告する人は、日々の収入と必要経費を記録した帳簿を作成し、法定帳簿や請求書、領収書などを定められた期間保存する必要があります。
業務に係る雑所得でも、前々年のその業務に係る収入金額が300万円を超える人は、現金預金取引等関係書類を5年間保存する必要があるため、雑所得なら記録が不要とは考えないようにします。
| 書類の例 | 管理方法 |
|---|---|
| 売上帳簿 | 月別に継続記録 |
| 請求書 | 取引先別に保存 |
| 領収書 | 日付と用途を記録 |
| 契約書 | 案件終了後も保管 |
| 申告書控え | 受付結果と一緒に保存 |
| 電子明細 | 元データで保存 |
白色申告であっても事業所得がある人には記帳と保存の義務があり、青色申告を選択する人は控除の要件に応じた帳簿を作成する必要があります。
保存期間や対象書類は申告方法や取引内容によって異なるため、国税庁の記帳と帳簿等の保存に関する案内を確認し、迷う書類は早く処分せず保管しておくのが安全です。
誤りに気づいたら早めに直す
申告書を送信した後に売上の計上漏れや経費の入力ミスへ気づいた場合は、そのまま放置せず、申告期限内か期限後か、税額が増えるか減るかによって適切な手続を確認します。
申告期限内であれば、正しい内容の申告書を改めて作成して送信する対応が考えられますが、送信状況や処理方法を確認してから進める必要があります。
申告期限後に納付税額が増える誤りを直す場合は修正申告、税額を多く納めていた場合は更正の請求が関係するため、確定申告書等作成コーナーの案内や税務署の相談窓口を利用します。
期限を過ぎてから自主的に修正する場合でも、状況によって延滞税や加算税が発生する可能性があるため、誤りを見つけた段階で必要な明細をそろえ、早めに対応することが重要です。
SNS収入は記録を整えてスマホから正しく申告する
SNS収入の確定申告をスマホで進めるときは、申告画面の操作より前に、広告収益、企業案件、アフィリエイト、投げ銭などの収入を漏れなく集計し、業務に直接必要だった経費を区分することが大切です。
会社員に知られている20万円の基準は収入ではなく所得で判定し、SNS以外の副業所得も合算する必要があるほか、医療費控除などのために確定申告をする場合は20万円以下の所得も申告内容へ含めます。
確定申告書等作成コーナーでは、マイナンバーカードと対応スマートフォンを使ってe-Tax送信できますが、売上の計上時期、事業所得と雑所得の区分、家事按分、源泉徴収税額などは自分の取引実態に基づいて入力しなければなりません。
毎月の売上明細、領収書、契約書、入金履歴を保存し、収入と経費の一覧を作る習慣を付ければ、申告期限の直前に一年分の取引を探し直す負担を減らせるため、不明点がある取引は早めに税務署や税理士へ確認して正確な申告につなげましょう。

